看取りケアに活かせる資格や研修とは。看護や介護で活かせるターミナルケア指導者養成講座も紹介
看取りケアに活かせる資格や研修とは。看護や介護で活かせるターミナルケア指導者養成講座も紹介

近年、病院だけでなく老人ホームや自宅など、さまざまな場所で「看取り」が行われるようになりました。そのため、それぞれの現場で、看取りに関する知識やスキルが求められています。

こうした「看取りケア」は、人生の最期を迎える人とその家族に寄り添い、穏やかに旅立てるようサポートする点で、重要な役割を担っています。しかしどのようにして看取りに必要な知識やスキルを身に付けていけばよいのか、模索している方は多いかもしれません。

そこでこの記事では、看取りケアに必要なことや、看取りの知識やスキルが身に付けられる資格・研修について詳しく解説します。専門性を高められる「ターミナルケア指導者養成講座」も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

看取りに必要なケアとは

「看取りケア」とは、患者が人生の最期を迎える際に、心身の苦痛を和らげ、尊厳を保ちながら穏やかな最期を過ごせるようサポートするケアのことです。

人生の最期を迎える患者は、身体的な痛みだけでなく、精神的な不安や孤独感を抱えることも多くあります。また、家族も患者の死に直面することで大きな悲しみや戸惑いを感じます。そのため、看取りケアでは、患者本人の意思の尊重や家族への支援を重要視しています。

看取りケアと終末期ケア(ターミナルケア)の違い

看取りケアと終末期ケア(ターミナルケア)は、目的や内容においてほぼ同じ意味合いを持ちます。

看取りケアは、人生の最期の時間をより穏やかに過ごせるよう患者や家族を支えるケアのこと。終末期ケアは、治療が難しくなった段階から患者の苦痛を和らげ、尊厳を保つためのケアのことで、家族も支援の対象に含まれています。

よってどちらも、患者やその家族が最期の時間を穏やかに過ごせるよう支えるケアだと言えます。

なお、終末期ケアについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

終末期ケア・看取りケアの現場で 指導・教育・質向上 を担う人材を育成・認定する資格「ターミナルケア指導者」

さまざまな「看取りの場所」

看取りの場所としては、主に以下の4つが挙げられます。

  • 病院・診療所
  • 介護施設
  • 老人ホーム
  • 自宅

日本では従来から、病院や診療所での看取りが多く発生してしました。厚生労働省の「厚生統計要覧(令和5年度)[1] 」によると、2005年の看取り場所の割合は、病院・診療所が82.4%、介護施設などが0.7%、老人ホームが2.1%、自宅が12.2%[1] となっています。

しかし、2022年の調査結果では、病院・診療所が65.8%、介護施設などが3.9%、老人ホームが11.0%、自宅が17.4%[1] という結果となり、病院での看取りの割合が減少し、老人ホームや自宅で看取られるケースが増加したことがわかります。

この背景には医療や介護の現場に関する変化が影響していますが、「住み慣れた環境で最期を迎えたい」という患者や家族の願いも関係していると考えられます。また、地域包括ケアシステムの推進により、在宅医療や介護の充実が進んだことも要因のひとつです。

このように看取りの場所が多様化する中で、さまざまな現場において看取りケアの知識やスキルの必要性がますます高まっています。

[1] 厚生労働省「厚生統計要覧(令和5年度)」第1-25表「死亡数・構成割合,死亡場所×年次別」

病院や老人ホーム、自宅等での看取りに共通する「必要なこと」

病院や老人ホーム、自宅など、看取りの場所がどこであっても、必要とされるケアの本質は変わりません。ここでは、共通して大切とされる3つのポイントを解説します。

看取られる本人の意思を尊重すること

看取りの場面でもっとも尊重されるべきなのは「本人の意思」です。患者本人の意向をしっかりと引き出し、最期までその人らしい時間を過ごせるように支援します。例えば、以下のような事柄をヒアリングします。

  • 最期の過ごし方について:どこで過ごしたいのか、特定の会いたい人はいるのか
  • 医療や治療に対する意向:延命治療を望むか否か

本人の意思を尊重し、その希望をできる限り叶えることが、穏やかな看取りにつながります。

本人が家族が満足して最期を迎えられる体制を整えること

看取りケアでは、患者本人だけでなく、家族の精神的サポートも重要です。例えば、家族の不安や負担を軽減するよう支援したり、最期の時間を一緒に過ごすための環境を作ったりして、家族が患者の最期に納得し、後悔なく見送れるような体制を整えることが求められます。

時には患者と家族の意向が合致しないときもあるでしょう。その際には、医療従事者や介護従事者としての意見を両者に押しつけるのではなく、両者が納得して最期を迎えられるよう話し合いの場を用意し、それを見守るような姿勢も重要です。

看取りに必要な専門性を得ておくこと

看取りケアには、専門的な知識や技術が必要です。例えば、痛みや苦痛の緩和方法、精神的なケアやコミュニケーション技術、看取り後の家族のケア(グリーフケア)などが挙げられます。

医療従事者や介護従事者がこれらの専門性を身につけることで、質の高い看取りケアを実現できます。

また患者や家族には、終末期に関する知識がほとんどない場合が多いです。そのため、あらゆる判断に必要な情報を提供することも、専門家として重要な役割のひとつです。

看護や介護で活かせる「ターミナルケア指導者養成講座」とは

看取りケアの知識や技術を体系的に学びたいときには、知識環境研究会が提供している「ターミナルケア指導者養成講座」が役立ちます。この講座を修了することでターミナルケア指導者資格を取得できます。このターミナルケア指導者資格は、知識環境研究会が国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学との共同研究の中で提案した「共創的ターミナルケア」という考え方に基づいています。そして、2014年度から資格認定制度をスタートさせた、10年以上の歴史を持つこの分野における代表的な資格の一つです。

「ターミナルケア指導者養成講座」とは、終末期や看取りのケアに関する知識と技術を習得し、現場で指導者として活動できる人材を育成することを目的とした研修です。

看護師、介護職、医療従事者、福祉職、終末期ケアに関心のある方などを対象としており、2日間の研修で以下のような項目を学ぶことができます。

  • 終末期ケアの基礎知識と実践方法(各種アセスメント、各種ケアなど)
  • 患者と家族への精神的サポート(エンゼルケア、グリーフケアを含む)
  • 看取りにおけるコミュニケーション技術
  • 指導者としての役割や指導スキル  など

[2]ターミナルケア指導者養成講座 

講座は原則として土日の2日間で、費用は8万円(税込)です。日頃から多忙な方でも、短期間で集中して学べるカリキュラムが整っています。

また、数ある看取りケアに関する資格・研修とは異なる点として、「共創的ターミナルケアが学べる」点が挙げられます。共創的ターミナルケアとは、多職種連携や地域包括ケアの場で、ケアを共創することに重きを置いたケア手法のことです。

看取りの場所が多様化する中、「ターミナルケア指導者養成講座」で学べるターミナルケアは、医療・看護・福祉の各現場で活かせる、有益な観点だと言えます。

詳しくは、以下の公式ページをご覧ください。

[3] ターミナルケア指導者養成講座

まとめ

看取りケアは、人生の最期を迎える患者とその家族に寄り添い、穏やかに見送るための重要な役割を果たします。場所に関係なく、看取られる人の意思を尊重し、家族も納得できる形で看取りを行うことが大切です。

「ターミナルケア指導者養成講座」では、看取りのケアに必要な専門知識やスキルを体系的に学ぶことができます。その体系の基盤には国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)一般社団法人知識環境研究会が共同研究の中から2010年に提案した共創的ターミナルケア」という考え方があります。この共創的ターミナルケアというコンセプトを基にして2014年度から認定制度をスタートさせました。医療・看護・介護といった看取りの現場で役立つ共創的なケアを学びたい方は、ぜひ受講を検討してみてください。

詳しくはこちら[4] ターミナルケア指導者養成講座について

「第1-25表 死亡数・構成割合,死亡場所×年次別」https://www.mhlw.go.jp/toukei/youran/indexyk_1_2.html