ターミナルケアに活かせる資格や研修とは
ターミナルケアに活かせる資格や研修とは

終末期(ターミナル期)の患者とその家族に寄り添うケアは、医療・介護・福祉分野において重要な役割を担っています。しかし、終末期ケア(ターミナルケア)には専門的な知識や技術が必要であるものの、それを学ぶ機会や方法に出会えていない方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、終末期に必要なケアの基本や、ケアに役立つ資格や研修、「ターミナルケア指導者養成講座」について詳しく紹介します。

終末期(ターミナル期)、終末期ケア(ターミナルケア)とは

終末期とは、病気の治癒が難しくなり、余命が限られた状態にある患者の人生の最期の段階を指します。「ターミナル期」と呼ぶこともあります。

この終末期を迎える患者に対して処置・サポートするのが「終末期医療」であり、医療に限らない部分も含めて「終末期ケア」「ターミナルケア」などとも言います。[1] 

医療技術が進んだ現代でも、すべての病気や症状を治すことは難しいのが現状です。この時期には、患者が残りの人生を「その人らしく」「穏やかに」過ごせるようなケアが重視されます。

終末期(ターミナル期)ケアと緩和ケアの違い

終末期ケアと似た言葉に「緩和ケア」がありますが、目的や対象範囲に違いがあります。

まず終末期ケアとは、治療の継続が難しくなった段階で、患者が最期まで尊厳を持ち、穏やかに過ごせるよう支援することに焦点を当てたケアのことです。

一方、緩和ケアとは、病気の治療中からも行われ、痛みや不快感などの身体的・精神的苦痛を和らげることを目的とします。

よって、終末期ケアは緩和ケアの一部とも言えますが、患者とその家族に寄り添うサポートが特に重要となる点に違いがあります。

終末期(ターミナル期)に必要なケアの内容

終末期には、患者が人生の最期を心穏やかに迎えられるよう、さまざまなケアが必要です。ここではそのケアを「身体的なケア」「精神的なケア」「社会的なケア」の3つに分けて解説します。

身体的なケア

終末期の患者は、痛みや呼吸困難、倦怠感など、さまざまな身体的症状に苦しむことが多くなっていきます。そのため、この苦しみを取り除いたり、和らげたりするためのケアが求められます。例えば、以下のようなケアが実施されています。

  • 痛みの緩和:鎮痛剤や緩和ケア医療を活用し、苦痛を最小限に抑える
  • 日常生活のサポート:食事や排泄、体位変換など、基本的な生活動作を支援する
  • 不快感の軽減:スキンケアや口腔ケア、呼吸管理などで、身体の不快感を和らげる

こうした細やかなケアにより、患者の身体的苦痛を和らげることを目指します。

精神的なケア

終末期には、死への恐怖や不安、孤独感が強くなることがあります。そのため、以下のような精神的なサポートを実施します。

  • 傾聴と寄り添い:患者の思いや悩みを否定せず、丁寧に耳を傾ける
  • リラックス支援:音楽療法やアロマテラピーなどで、心を落ち着かせる
  • 安心感の提供:患者が最期まで尊厳を保てるよう、温かな環境を整える

こうしたケアにより、患者の心の安定を保つよう意識しています。

社会的なケア

終末期ケアでは、患者本人だけでなく、家族へのサポートも重要です。次のような支援や情報提供を行うことが多く見られます。

  • 家族の支援:精神的負担や経済的負担を軽減するための相談を行う
  • 情報提供:終末期ケアや介護保険制度についての情報を提供する
  • 多職種との連携:医師や看護師、介護職など、専門職が連携し総合的なケアを行う

患者やその家族が終末期を穏やかに迎えられるよう、その環境作りを行うのが社会的ケアの重要な役割です。

終末期(ターミナル期)のケアに役立つ資格や研修

終末期ケアに関する知識や技術を習得するためには、資格や研修が有効です。現在のところ、日本では終末期ケアに関する国家資格は存在しないため、民間の資格や研修プログラムを利用する必要があります。

医療・介護・福祉分野ではさまざまな名称の民間資格がありますが、終末期ケアに特化した資格を取得することで、知識や技術を体系的に学ぶことが可能です。

また、終末期ケアに関する研修の受講によって、知識や技術を体得することもできます。研修は短期間で集中して学べる研修も多く、仕事と両立しながらスキルアップすることも可能でしょう。

終末期(ターミナル期)のケアを学べる資格や研修を選ぶ観点

終末期ケアに関する民間資格や研修は複数あるため、どのように選んだらよいのか迷ってしまうかもしれません。そんなときは、以下のような観点から資格や研修を選定するとよいでしょう。

学べる内容や主催団体、講師から選ぶ

同じ「終末期ケア」というテーマでも、研修や資格によって学べる内容やカリキュラムは異なります。

ここで重要なのは、主催団体の信頼性や講師の実績です。信頼のおける団体が実施しているのか、現場で多くの医療や看護、介護を実践してきた講師が登壇するのかなどを確認し、より実践的な内容が学べるものを選ぶことをおすすめします。

学ぶために必要な時間・費用から選ぶ

どんな資格や研修でも、取得までには相応の時間や費用がかかります。フルタイムで勤務している非常に意欲的な方が、多くの費用を払って長期的に学べる研修を受けたとしても、仕事との両立が難しくなれば、研修の途中で離脱してしまうかもしれません。

よって、自身の就業状況やライフスタイル、経済状況などに合わせて、無理なく学べるものを選ぶことが重要です。

医療・介護・福祉職に活かせる「ターミナルケア指導者養成講座」とは

終末期ケアを専門的に学び、現場で指導者として活動したい方におすすめなのが、「ターミナルケア指導者養成講座」です。

これは、終末期ケア(ターミナルケア)に関する知識や指導スキルを習得するための研修プログラムで、特に「多職種連携」「地域包括ケア」の場で、さまざまな専門家とともにケアを共創することに重きを置いています。

主宰は一般社団法人知識環境研究会で、ターミナルケア指導者の認定制度は2014年度からスタートしました。一般社団法人知識環境研究会が国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学との共同研究の中で2010年に提案した「共創的ターミナルケア」が基盤となっている資格体系です。

また、教育監修・講師は看護師・保健師である石田和雄氏が担当しています。彼は病院・施設・訪問看護の現場での実務経験をもとに、創意工夫にあふれるターミナルケア・終末期ケア・看取りケアを探究しており、実践者向け研修をはじめとして豊富な教育実績を有しています。

対象者は、医療・介護・福祉分野で働いている方や、終末期ケアに携わる方などで、次のような到達目標を置いています。

  • 到達目標(1):

人生の最終段階における医療・ケアに関する概念(ターミナルケア/ホスピスケア/緩和ケア/エンドオブライフケア/終末期ケア/看取りケアなど)や基礎知識を踏まえ、それらを統合的に運用する共創的ターミナルケア方法論を理解すること

  • 到達目標(2):

共創的ターミナルケアを指導・教授のための知識とスキルを修得すること

まずはさまざまな基礎知識を理解し、それらを運用するケアの方法論を理解することを目標に、研修を受けてみるとよいでしょう。

研修期間は東京都内で土日の2日間、費用は8万円(税込)(2024年12月時点の情報)と、短期間で集中的に学べるプログラムです。

詳細については、以下の公式ページをご覧ください。

詳しくはこちら[4]ターミナルケア指導者養成講座について

まとめ

終末期(ターミナル期)のケアは、患者が最期をその人らしく穏やかに過ごすために欠かせない支援です。身体的・精神的・社会的なケアを総合的に学ぶことで、現場で質の高いケアを提供できるようになります。

「ターミナルケア指導者養成講座」は、医療・介護・福祉の分野で働く方や、さまざまな専門家とともにケアに取り組みたい方などを対象とし、実践的な内容をお伝えしています。指導者としてのスキルも身につけられるため、現場でのリーダーシップにも役立つでしょう。

気になる方は、ぜひ受講を検討してみてはいかがでしょうか。

詳しくはこちら[5] ターミナルケア指導者養成講座について

参考にした記事

https://kaigo.homes.co.jp/manual/facilities_comment/terminal_care

https://learning.ackk.org/0301